バレエ くるみ 割り 人形。 バレエDVDレビュー| 英国ロイヤル・バレエ『くるみ割り人形』2011年・吉田 都&スティーブン・マクレイ

曲目解説:チャイコフスキー/バレエ音楽「くるみ割り人形」

バレエ くるみ 割り 人形

しかし、そのパーティの最中に誰かが、わざとではなく誤って、ねずみの女王を踏みつけてしまうのです。 怒った女王は、誕生した王子に呪いをかけ、くるみ割り人形にしてしまいました。 子どもたちや客人が楽しく遊んだり踊ったりしている広間には、大きなクリスマスツリーがあり、そこにドロッセルマイヤーという人物がやってきます。 彼はクララの風変わりな叔父さんで、おもちゃのプレゼントをあげたり、変わった人形を見せたりして、子どもたちを夢中にさせました。 クララももちろんドロッセルマイヤーからプレゼントをもらいますが、彼女へのプレゼントは、可愛らしくないくるみ割り人形。 でも、心優しいクララは、彼女の弟やその友達が、どんなに彼女をからかっても、そのくるみ割り人形を大切に大切に扱うのです。 パーティも終わり、みんなが寝静まった深夜、時計の鐘の音とともに、クララの体は人形くらいに小さくなってしまいます。 そしてそこに、ねずみの王様とその手下たちがやってきて、くるみ割り人形と仲間の兵隊人形たちと戦いはじめます。 息をのんでクララが見守っていると、くるみ割り人形がねずみの王様に負けてしまいそうになります。 堪え切れなくなったクララは、自分が履いていたスリッパをねずみの王様に投げつけ、くるみ割り人形を救いました。 クララにお礼を言うくるみ割り人形は、いつの間にか美しい王子へと姿を変えています。 美しい王子となったくるみ割り人形は、優しく勇敢なクララを自分の国へ案内するとクララに告げました。 雪の国では、雪の女王や雪の精たちが、舞い踊りながら彼らを見送りました。 くるみ割り人形であった王子の国は、お菓子の国です。 帰ってきた王子と王子の客人であるクララを金平糖の精や、チョコレートの精、コーヒーの精、お茶の精などが歓待します。 華やかなお菓子の国での時間を楽しんだクララは、家族が寝ている間に、くるみ割り人形であった王子に送られて、家に帰ってきました。 クララは、自分の冒険が夢ではないことを確信しながら、眠りにつきます。

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バレエ「くるみ割り人形」について

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新しい楽器・奏法による幻想的な響き まずは、新しい楽器チェレスタの登場です。 グロッケンシュピールのような音のするチェレスタは1886年にパリで開発された楽器で、チャイコフスキーは1891年にパリで見つけました。 チェレスタが使われるのはおとぎの国の場面の第2幕で、特に金平糖の精の踊りが有名ですが、ほかにも第2幕冒頭(第10曲)、金平糖の精の登場も印象的です。 チェレスタにハープ2台が加わって輝きを増した響きは、まさに夢の世界。 そこに笛の音のような旋律が聞こえますが、これはフルートではなく、ヴァイオリンとヴィオラによるフラジオレットという奏法の音なのでご注目を。 続いて、金平糖の精は4人の男性にエスコートされ(第11曲)、そこで「ヒュルルル」と風が吹くような音がします。 これはフルートのフラッター・タンギングによる音です。 当時はまだ新しい奏法で、チャイコフスキーは1891年、演奏旅行先のキエフで知り、この場面にさっそく使ったのです。 チャイコフスキーもとても驚いたという音色を、ここではフルートを3本も使った充実の響きで、きらめく世界を描きます。 新しい楽器に対し、一番古い楽器とも言えるのが「声」です。 第1幕、雪の精の場面(第9曲)では、なんとバレエ音楽に合唱が登場します。 実は『くるみ割り人形』はオペラ『イオランタ』とのダブルビルとして計画された作品なので、合唱団が楽屋にいるから加えたのかもしれません。 ヴォカリーズによる合唱は作品に斬新性をもたらし、新たな幻想性を生み出しています。 子どもや人形の世界を描くためにおもちゃのラッパや太鼓などが登場するのも『くるみ割り人形』ならでは。 とはいえ、『くるみ割り人形』の前に完成したオペラ『スペードの女王』でもおもちゃの楽器を使っていて、その経験を生かしたものなのでした。 楽譜には"『スペードの女王』と同じ楽器を"と指示されているのも興味深い点です。 繰り返す旋律から広がるイメージ 『くるみ割り人形』の旋律は、じっくり聴かせるというより、シンプルな短いフレーズを繰り返すものが多いのが特徴。 第1幕幕開けのプロローグ(第1曲)からそうで、第2幕、クララがおとぎの国に到着する音楽(第11曲)も簡単な音階を繰り返すだけ。 この音階の繰り返しは金平糖の精と王子のパ・ド・ドゥの音楽へとつながります。 繰り返しの音楽の白眉は、第1幕クリスマス・ツリーが大きくなる場面です(第6曲の途中から)。 何度も旋律を繰り返しながらクレッシェンドして作品中の最大音量 ffff に達します。 単なる繰り返しにもかかわらず、巨大なツリーがありありと目に浮かぶ描写力に圧倒される音楽で、まさにチャイコフスキーの円熟の技と言えるでしょう。 ほかにも素敵な響きがたくさんある『くるみ割り人形』。 公演ではぜひ音楽も楽しんでください。 ピョートル・チャイコフスキー作曲 くるみ割り人形 作品 71 序曲 〈第1幕〉 第1曲 クリスマス・ツリーの情景 第2曲 行進曲 第3曲 子どもたちの小さなギャロップと 両親の登場 第4曲 踊りの情景 ドロッセルマイヤーの登場 第5曲 情景とグロースファーターの踊り 第6曲 招待客の帰宅〜真夜中の部屋 第7曲 情景 兵隊人形とねずみの戦い 第8曲 情景 松林の踊り 第9曲 雪片のワルツ 〈第2幕〉 第10曲 情景 お菓子の国 第11曲 情景 クララと王子の登場 第12曲 ディヴェルティスマン a チョコレート スペインの踊り b コーヒー アラビアの踊り c お茶 中国の踊り dトレパック ロシアの踊り e 葦笛:ミルリトン 葦笛の踊り f ジゴーニュおばさんとその子どもたち 第13曲 花のワルツ 第14曲 金平糖の精と王子のパ・ド・ドゥ アダージョ 王子のヴァリエーション 金平糖の精のヴァリエーション コーダ 第15曲 終幕のワルツとアポテオース.

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バレエ「くるみ割り人形」感想|hazukiika|note

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参考: ヨーロッパではクリスマスの風物詩ともいえるバレエ組曲ですが、実は原作の物語があるのです。 原作の物語は、1816年に ドイツのE. ホフマンによって発表された「 くるみ割り人形とねずみの王様」。 それを フランスのアレクサンドル・デュマ親子がフランス語に翻訳したものを元に、バレエ組曲を作りました。 バレエ用に原作をかなり省略してあるためわかりやすいと思います。 もちろん、原作を知っておいた方が、よりバレエを深く理解し楽しむことができるでしょうので、最後の章でご紹介しますね。 クリスマスイブの夜、自宅でパーティが開かれ、賑やかなダンスを大人も子供も楽しんでいます。 魔法使いのようにミステリアスな雰囲気の漂う、 人形使いのドロッセルマイヤーおじさんは、子供たちにクリスマスプレゼントを配ります。 クララは、不格好な「くるみ割り人形」をもらい、なぜかとても心惹かれるのでした。 ところが兄のフリッツがくるみ割り人形を貸してくれと取り合いになり、人形が壊れてしまったのです。 クララは自分のドレスの白いリボンを人形に巻き、夜遅くまで一人で看病してあげます。 真夜中の12時の鐘が鳴った時、なんとクララの体は小さくなり、人形ほどの大きさになってしまうのです。 するとどこからともなく ねずみの王様が率いる軍隊と、それに対抗するおもちゃの兵隊たちが現われ、戦争を始めます。 おもちゃの兵隊たちのリーダーは、クララの看病していたくるみ割り人形でした。 激しい戦いの末、くるみ割り人形とねずみの王様の一騎打ちが始まります。 劣勢だったくるみ割り人形をクララが助け、おもちゃの兵隊たちの勝利へと導いたのです。 するとなんと、 くるみ割り人形が凛々しい王子様に変身したではありませんか! 王子は自分を助けてくれたクララを、 お菓子の国へと誘うのでした。 途中の真っ白で幻想的な雪の国では、キラキラ輝く雪の精や、美しい雪の女王が踊っています。 お菓子の国に着くと、 お菓子の国の女王「金平糖の精」が二人を歓迎し、各国のお菓子の踊りを披露してくれます。 スペインの踊り(チョコレート)、アラビアの踊り(コーヒー)、中国の踊り(お茶)、ロシアの踊り(トレバック:大麦糖の飴菓子)、フランスの踊り(ミルリトン:アーモンドクリームパイ)、花のワルツなど。 甘やかで夢のような時間を過ごすクララですが、楽しい時間はあっという間に過ぎ… 気が付くと、クララは自分の家のクリスマスツリーの下で目を覚ますのです。 クリスマスイブに美しい夢を見たクララは、傍らのくるみ割り人形を愛しそうに抱きしめ、幕が閉じます。 原作絵本のあらすじ さて、バレエではお菓子の国から目覚めて(もしくは目覚めないまま)幕を閉じますが、原作にはその続きがあるのです。 そして、なぜねずみの王様がくるみ割り人形を狙うのか、そしてミステリアスな人形使いのドロッセルマイヤーおじさんの正体までもが描かれています。 ここでは、 E. ホフマンの原作を絵本にした「くるみ割り人形」のあらすじをご紹介しましょう。 (出版:ブロンズ新社、抄訳:中井貴惠、絵:いせひでこ) ホフマンお得意の、夢と現実を行きかうような奇怪な雰囲気が特徴的です。 ドイツ語の原作の中では、主人公の少女は マリーという名前。 フランス語に翻訳された際に、なぜか母親がマリーにプレゼントした人形の名前「クララ」の響きが美しいからと、マリーのかわりに使われたのです。 バレエの物語と同じく、くるみ割り人形に心惹かれ、壊れてしまったくるみ割り人形の手当をしながら夜遅くまで一人で起きていたマリー。 12時の鐘が鳴ると、どこからともなく 7つの頭を持つねずみの王様と、ねずみの大群が人形たちを襲いに来たのです。 それを向かい打つように、くるみ割り人形が指揮をとり、人形の軍隊を率いて戦争を始めました。 そしてくるみ割り人形の危機をマリーが救い、マリーは気を失います。 目が覚めると、辺りは元通り。 マリーの話を誰も信じてくれません。 そこへドロッセルマイヤーおじさんが、くるみ割り人形を修理して持ってきてくれました。 ベッドに横になっているマリーに、「 かたいくるみの話」を聞かせ始めます。 『 ニュルンベルグの王様は、お妃様と ピルリパート姫と幸せに暮らしていました。 ある日、王様がお城の中の食べ物を荒らすねずみ達を退治するため 、時計師のクリスチャン・エリーアス・ドロッセルマイヤーにねずみ捕り器を作らせました。 そのおかげで、お城を荒らしていたねずみたちを退治することができました。 ところが、それに怒ったのが魔力を持ったねずみの女王、マウゼリングスでした。 彼女の7匹の息子たちがねずみ捕り器によって退治されてしまったからです。 女王はピルリパート姫を醜いくるみ割り人形に変えてしまいました。 姫を元に戻すには、世界一固いと言われるクラカーツクのくるみを自力で割って、その実を姫に食べさせるしかないといいます。 しかもそれは今まで一度もヒゲを剃ったことのない、長靴を履いたことのない若者だけというのです。 王様は嘆き悲しみ、ねずみ捕り器を作った時計師クリスチャン・エリーアス・ドロッセルマイヤーに姫を元通りにするよう命じました。 時計師クリスチャン・エリーアス・ドロッセルマイヤーは15年間も必死にその若者を探し、とうとう 従兄弟の人形細工師クリストフ・ツァハリーアス・ドロッセルマイヤーに生まれた息子、 若いドロッセルマイヤーがその資格があると見つけたのです。 時計師ドロッセルマイヤーは、王様に若いドロッセルマイヤーを紹介し、もし姫を元に戻せたら姫と結婚させてくれるよう約束を取り付けました。 若いドロッセルマイヤーは自分の歯で固いくるみを割り、ピルリパート姫に食べさせることができました。 その途端、ピルリパート姫は元通り美しい姿に戻りましたが、今度は 若いドロッセルマイヤーに呪いがかかり、醜いくるみ割り人形に変えられてしまいます。 若いドロッセルマイヤーはねずみの女王マウゼリンクスを倒しましたが、女王は殺された7人の息子の生まれ変わりである、 7つの頭を持ったねずみの王が仇をとるだろうと言い残して息を引き取りました。 醜い人形との結婚を嫌がったピルリパート姫のために、王様は時計師と人形に変えられた若いドロッセルマイヤーを白から追放してしまいます。 くるみ割り人形から元の姿に戻るには、自分で7つの頭を持ったねずみの王様を倒し、醜い姿でも愛してくれる女性が現われなければならないということです。 そのため、今も若者はくるみ割り人形の姿のままなのです…』 マリーはその物語を聞いて、自分のくるみ割り人形こそ、その若者なのだと思いました。 それからというもの、毎晩ねずみの王様が現われ、マリーのお気に入りのお菓子や人形、洋服などを差し出すよう要求します。 さもなければ、くるみ割り人形をかじってしまうと脅すのです。 マリーはしばらく要求に応じ続けましたが、とうとう応じきれなくなり、くるみ割り人形に相談しました。 するとくるみ割り人形は、マリーに言いました。 「私に剣を貸してください。 私がねずみの王様を退治します。 」 マリーは兄のフリッツからおもちゃの兵隊用の剣を借り、くるみ割り人形に持たせました。 その夜、いつものように現れたねずみの王様を、くるみ割り人形は無事に倒すことができました。 この戦いによって、ねずみたちから 人形の国を取り戻すことができたのでした。 そしてくるみ割り人形は、自分の城である美しい マジパン城へとマリーを連れて行ってくれました。 そこで歓待を受けるマリー。 夢のような時間はあっという間に過ぎていきます。 ふと気付くと、マリーは自分の家のベッドの上で目覚めました。 あれは全て夢だったのでしょうか…? そこへ、ドロッセルマイヤーおじさんが来て、時計を修理し始めます。 マリーはくるみ割り人形を見つめながら、ぽつりと言いました。 「私がピルリパート姫だったら、あなたが醜いからって追い出したりしないわ。 だってあなたは私を助けたために醜くなってしまったんだもの…」 それを聞いたドロッセルマイヤーおじさんは、じっとマリーを見つめます。 そしてマリーはそのまま眠りに落ちていきます。 気が付くと、 ニュルンベルグからドロッセルマイヤーおじさんの甥である、 ドロッセルマイヤー青年が訪ねて来ていました。 マリーを見つめる凛々しく優しい瞳に、マリーは一目でその青年が好きになりました。 その夜、ドロッセルマイヤー青年はマリーの前にひざまずいて言いました。 「 私はあなたの愛の言葉でやっと呪いが解けた、くるみ割りのドロッセルマイヤーです。 どうか私と結婚してください。 」 マリーが夢見たことが、本当のこととなったのです。 マリーはドロッセルマイヤー青年と結婚し、人形の国の王妃として、王様とマジパン城で幸せに暮らしました。 おしまい。 夢なのか現実なのか区別がつかない、最後にはマリーが夢の世界に行ってしまうという、少し不思議な物語です。 バレエ用には省かれてしまった、ホフマンの奇怪なテイストが良く表れていますね。 これで、くるみ割り人形のバレエもずっと理解しやすくなったことでしょう。 チャイコフスキーの曲も情景を思い描きながら聴くことで、より楽しむことができると思います! ぜひご家族と一緒に、クリスマス観劇を楽しんでくださいね。

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