南アフリカ 人 種 差別。 南アフリカの女性差別!女性の一人旅は危険?差別と女性の地位、社会進出など女性問題、女性の日…綺麗?性格や名前など

人種差別報道:世界の現状とイメージのギャップの裏には

南アフリカ 人 種 差別

近年、欧米での人種差別が報道で話題となっている。 アメリカでは、ドナルド・トランプ大統領が移民対策として、移民の難民申請制度のや移民による犯罪の被害者のためのするなど移民を「敵」とした規制を強めていることが話題になっている。 また、黒人への差別も話題になっている。 2019年2月、アメリカで起こった黒人への暴行事件などの人種差別事件を彷彿とさせるシーンが多いことで話題を呼んだ、チャイルディッシュ・ガンビーノの楽曲「This Is America」のミュージックビデオ(MV)が最優秀MV部門でグラミー賞をしたこともその証左だろう。 ヨーロッパにおいても移民・難民の増加による衝突が問題となっており、各国で右翼系政党の人気が、ポピュリズムの傾向を強めている。 このような事件や政策は大きく報道されてきたが、果たしてこれでメディアが世界における人種差別の現状を包括的かつ客観的に映し出せているのだろうか。 世界における人種差別問題と日本における人種差別報道について詳しく見ていきたい。 アメリカにてナチの旗を持つ民衆 写真:Moses Apostaticus 世界における人種差別・排外主義の全体像 そもそも人種差別とはどのようなものだろうか。 「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約」のによれば、「人種差別」とは、「人種、皮膚の色、世系又は民族的若しくは種族的出身に基づくあらゆる区別、排除、制限又は優先であって、政治的、経済的、社会的、文化的その他のあらゆる公的生活の分野における平等の立場での人権及び基本的自由を認識し、享有し又は行使することを妨げ又は害する目的又は効果を有するもの」をいう。 つまり、人種差別は一義的なものではなく、肌の色、民族、階級、国籍など、差別の対象となる背景は様々で、どんな違いも差別の要因となりうる。 近年の報道により、人種差別が強まっているというイメージを持っている人は少なくないかもしれない。 実際、専門家や国連関係者も排外主義が「世界中で」と言う人も存在する。 しかし、実際に「世界で」排外主義が強まっているといえるのだろうか。 世界各地で行われているなどによると、北部を除くヨーロッパでは、人種差別は増加傾向にあるが、世界全体で増えていると必ずしも言えず、また減っている地域も多いようだ。 ただし、世界が包括的に見れるデータが不十分だというのも事実である。 また、注目の対象になっている欧米よりもむしろ、南アジアや中東・北アフリカの方において人種差別意識が強いというも存在する。 例えば、南アジアでは、がカーストによる差別の影響を受けており、欧米以上に差別が深刻な地域も多数存在する。 このような人種差別に関するイメージと現実のはなぜ生まれるのか。 私たちのイメージを形成する報道に問題があるのではないか。 これらをひもとくために、実際のデータを基に、日本でどのような人種差別報道がなされているのか詳しく見ていこう。 下のグラフから分かるように、人種差別が強まっているイメージと同様に、ヨーロッパにおいて移民や難民が増加やトランプ氏の台頭、欧州政治の右傾化などが起こった2015年あたりを境に、人種差別の報道量が急増している。 Loading... また、この人種差別の報道量を国ごとに分類した。 下のグラフから見て分かるように、欧米、特にアメリカの報道量だけが極めて多い。 世界では、アメリカ以外にも報道すべき地域が数多くあるにもかかわらず、人種差別報道の約半分が1つの国だけに集中している。 また、アメリカの次に多かったのはフランスであり、報道の全体の約1割を占めている。 フランス国内の右傾政治やその移民政策の報道が非常に目立った。 ヨーロッパの他の国もトップ10に多く登場しており、全体としては約4分の1が欧州の報道であった。 また、南アフリカは、アパルトヘイト政策など歴史に関する特集記事や南アフリカで開催された差別反対世界会議に関する記事が多く、3番目に多い登場回数となった。 Loading... その黒人への差別に関する報道のうち、82件(約68%)の記事でアメリカが登場しており、大きな偏りが見られた。 また近年はトランプ大統領の登場や欧州政治の右傾化により、移民が差別の被害者として書かれている記事も54件(約16%)と多かった。 その54件の移民への差別に関する報道のうち、なんと51件(約94%)が欧米での内容だった。 宗教の差別でいえば、イスラム教徒が差別の被害者として取り上げられている記事51件中30件(約59%)と最も多く、そのうち9件がアメリカでの出来事だった。 また、全世界の人口のにも満たないユダヤ人が20件(約6%)の記事で被害者として取り上げられおり、人口の割に報道が多かった。 以上のように、日本で報道される人種差別報道は、欧米を主体として、「人種」、「国籍」、「宗教」などの異なるアイデンティティを持つ人々への差別にスポットライトが当てられている。 つまり、私達の世界の人種差別のイメージは、欧米中心の国際報道によって作られている可能性が極めて高い。 この報道の偏りの背景には、日本との関係の深い、強い先進国として普段から欧米報道を大きく取り上げるがある。 アメリカのメディアから影響を受けるも、さらに貧困国を日本のメディアの現状も挙げられる。 リビア紛争から逃れ、スーダンに帰国する出稼ぎ労働者とその家族 写真:UNAMID 報道されない人種差別 日本で報道されない人種差別とはどのようなものなのだろうか。 差別が蔓延しているにもかかわらず、ほとんど報道が為されていない地域の現状を例として詳しく見ていきたい。 南アジア 南アジアには、古くからという規則や慣習に基づいた社会的経済的な統治方法が存在する。 カースト制度は、人々をバラモン、クシャトリア、ヴァイシャ、シュードラの4つの階級に分け、社会的地位だけではなく、職業、結婚相手なども階級によって決めるべきという差別が根底からさらに4つ階級とは別に、「ダリット(Dalit)」という最下層の不可触賤民と呼ばれる人々がおり、死体の処理といった卑しい仕事をさせられ、の対象となっている。 現在、南アジアのがカーストによる差別の影響を受けているとされており、市民権や政治的、経済的、社会的、文化的権利が侵害されている。 これらの差別は、キリスト教徒や仏教徒、イスラム教徒、シク教徒にも。 このような状況にもかかわらず、で紹介したように、これらの現状に焦点が当てられた報道が少ないのが実情だ。 今回収集したデータにおいても、南アジアが取り上げられたのは人種差別報道の全347記事中4記事であり、そのうち3記事は他国絡みの政治に関するもので、各国内のカースト問題や宗教差別を取り上げた記事は存在しなかった。 しかし、イスラエルによるアラブ系住民・パレスチナ人への差別以外にも、この地域においてさまざまな差別関連の問題が存在する。 特に、建設業や家政婦などで中東に来る出稼ぎ労働者や難民への差別・虐待が深刻だ。 の賃金は極めて低く、全く同意していない奴隷のような労働をさせられていることが報告されている。 また、2022年のカタールワールドカップの建設中に、の低賃金労働者が亡くなるという予測も出ている。 また、では、スンニ派イスラム以外の信者への差別や抑圧が非常に強い。 神への冒とくやイスラム以外の宗教への改宗はに処する法律制度となっている。 北アフリカでも人種差別は多く残る。 エジプトでは、ヌビアなどの少数民族やサハラ以南のアフリカ出身の出稼ぎ労働者、難民などへの差別が深刻であり、肌が黒いほど差別が激しくなると。 またリビアでは、奴隷貿易が移民の増加によりなんと再び行われている。 2014年~2016年の3年間で15万人が危険を顧みずリビアから地中海へ渡ろうとするなど、リビアは移民や難民の経由地となっており、そこで取り締まりを受け拘留された人々が多く存在するが、その人々「」で奴隷としてオークションに売買され強制労働を強いられることがある。 このように、中東・北アフリカ諸国で悲惨な人種差別が存在するにもかかわらず、今回収集した中東・北アフリカの 25件の人種差別に関する記事の中には、これらの事情に言及したものはなかった。 ドバイの建築現場で働く出稼ぎ労働者 写真:Imre Solt 中南米 中南米には過去に奴隷として連れてこられた歴史もあり、アフリカ系の子孫が数多く生活している。 このような黒人が人口の大きな割合を占める中南米においても、依然として人種差別が問題視されている。 ブラジルでは、国民の自己のアイデンティティの認識に基づけば、人口のが黒人あるいは黒人を含む複数の人種が入り混じった人々であるが、白人と比べて教育水準や賃金ががあり、があることは明らかである。 コロンビアでも、他の人種に比べて最貧困層にアフリカ系の人々が、紛争時にも多くのアフリカ系の人々が強制立ち退きを命じられるなど卑劣な扱いを受けている。 また、グアテマラやボリビアでも、アフリカ系や先住民の人々は経済面や教育面、雇用面などにおいて白人の人を比べて差別的な処遇を受けているとされている。 中南米で見られるこのような現象をと呼ぶ研究者もおり、肌の色に基づいた社会的地位が変わるということを指している。 これらの差別に対して、各国で生活水準を改善するための政策や人種差別撤廃のための法案も実施されてきたが、依然としてラテンアメリカのアフリカ系の人々に対する経済面や教育面などにおける差別は残っており、アメリカ以上に人種差別問題が深刻であるといえるのかもしれない。 しかし、アメリカでの黒人差別が黒人差別報道全体の120記事中82記事(約68%)であるのに対して、中南米での黒人差別は1つの記事でしか言及されていなかった。 このような状況にもかかわらず、日本の報道の偏りによって、「世界」の人種差別のイメージが、「欧米」での人種差別報道のイメージによって形成されてしまっており、欧米を主体としてしか人種差別問題について知ることができていない。 報道されていない地域には、欧米以上に差別意識が強く、悲惨な出来事が起こっており、明らかに私達が普段目にする情報と現実との間にギャップが存在しているが、このままで良いのだろうか。 人種差別の撲滅に向けて、まずは世界の人種差別の現状を客観的かつ包括的に報道し、問題意識を向けることから始める必要があるだろう。 ライター:Yutaro Yamazaki.

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アパルトヘイト

南アフリカ 人 種 差別

人や国の不平等をなくすために 世界に住む人々はあらゆる面で平等であるべきですが、実際には 一国内あるいは国家間の不平等が存在し、問題となっています。 そのため、 国連で採択された目標10では「人や国の不平等をなくそう」という目標を掲げ、差別に関してのターゲットも定めています。 このターゲットでは年齢や性別、障害、人種、民族、出自、宗教、経済的地位やその他の状況に関わらず 全ての人が能力強化や社会的、経済的、政治的な包含を促進することを掲げています。 人種差別は、白人による黒人の人種隔離政策や、ユダヤ人の迫害など、長い歴史の中で古くから数多く存在してきました。 現在でもそのような人種差別は続いており、世界では人種差別に関しての条約などを定め、各国で取り組みが行われています。 日本でも各種啓発・広報活動などによる人種差別撤廃に向けた施策が講じられています。 国連は「人や国の不平等をなくそう」という目標を掲げ、差別に関してのターゲットを定めている• そのターゲットでは、全ての人が能力強化や社会的、経済的、政治的な包含を促進することを掲げている• 人種差別に対する取り組みが各国で行われている (出典:「目標10 人や国の不平等をなくそう」,2018) 世界に存在する人種差別の実態 人種差別は性別や年齢に関わらず起こる問題です。 それは国や人々の間で起こる不平等ですが、特に分別がつかない子どもの間で起こりやすい問題でもあります。 差別や偏見は世界の何百万人もの子どもたちにとって日常的に直面する問題です。 この割合からも分かる通り、 少数民族であることにより本来得られる教育を受ける権利を享受できない子どもたちがいます。 子どもは自分とは違うものに対して偏見を持ち、差別やいじめに発展することがあります。 教育において、あるいは家庭で自分と他人との差を認め、受け入ることを教えられなければ、子どもたちは偏見を持ったまま大人になってしまいます。 子どものときに構築された価値観は大人になっても変わらないことがあり、それが国内の、または国家間の差別にもつながります。 差別や偏見の考え方は親から子へ、次の世代へと受け継がれてしまうこともあり、各国で見られます。 アメリカやヨーロッパなどの先進国でも、長い歴史の中で多くの差別が問題となりました。 それは日本国内にも存在します。 北海道には先住民族としアイヌの人々が暮らしていましたが、江戸時代以降不平等な扱いを受け、本土の人々 アイヌ民族は和人と呼ぶ から差別を受けていました。 それは現代でも起こっており、あるアイヌの血筋にある人は、小学生の時に和人からアイヌ民族であるということから差別を受け、学校へ行けなくなったという経験をした人がいます。 またある人は、中学で純粋なアイヌの血筋の10人の子どもが見た目や勉強、運動のできなどから差別を受けていたという事実を語る人もいます。 子どもの人種差別はいじめという形で現れる一例です。 いじめを受けた人の中には、差別をしない先生や友人、大人によって救われたという人もいますが、すべての人がそういうわけではありません。 同じ国に住む人の間でさえ、このように偏見と差別によって心に傷を負い、一生を過ごす人がいることを忘れてはいけません。 世界で制定された人種差別法 差別は人の間で行われることが多いですが、国ぐるみで国内の差別が行われたことがあります。 それが アパルトヘイト政策です。 このアパルトヘイトとは現地の言葉で「分離・隔離」を意味する言葉です。 1911年に南アフリカで制定された「鉱山・労働法」は、金やダイヤなどの鉱山で働く白人と黒人の職種区分と人数比を全国で統一する法律であり、 白人政府が白人労働者の暮らしを保護するために思考した、最初の人種差別法でした。 第一次世界大戦後の不況から白人の貧困層を救済することが目的であり、1949年には白人農民や都市貧困層を支持基盤とする国民党が政権を獲得したことで、より強力なアパルトヘイトが推進されました。 白人専用とそうでない場所が区別され、黒人が白人専用の場所に立ち入れば、容赦なく逮捕されました。 また異人種間での恋愛や結婚も禁止され、政策が徐々にエスカレートしたことから国際社会からは「 人類の人類に対する犯罪」と厳しい非難を受けましたが、南アフリカ政府は人種ごとの分離発展のためであることを理由に改善しませんでした。 人種差別は、特に分別がつかない子どもの間で起こりやすい問題である• 差別や偏見の考え方は親から子へ、次の世代へと受け継がれてしまうことがある• アパルトヘイト政策は、南アフリカの白人政府によって確立された最初の人種差別法である (出典:「差別・偏見」) (出典:「アイヌの人への差別の実像」) (出典:「躍進する南アフリカ~途上国のリーダーとして」) SDGs目標達成に向けた人種差別をなくすための取り組み 世界には過去に様々な人種差別がありました。 このような状況を改善するため、1960年の第15回国連総会で、 社会生活における人種的、宗教的および民族的憎悪のあらゆる表現と慣行は、国連憲章および世界人権宣言に違反すると確認しました。 その上で、植民地主義およびこれに関連する分離や差別のすべての慣行を終結させることを内容に盛り込んだ「 植民地及びその人民に対する独立の付与に関する宣言」が採択されました。 しかし人種や民族の差別は撤廃にいたらなかったため、法的拘束力を持たせ、各国に対して差別を撤廃するための具体的な措置の履行を義務付ける条約の採択を行うことが必要とし、文書の作成が行われました。 それが1965年に全会一致で採択された「 あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約」、いわゆる人種差別撤廃条約です。 この条約では人種、皮膚の色、世系または民族的もしくは種族的出身に基づくあらゆる区別や排除、制限または優先であって、政治的、経済的、社会的、文化的などあらゆる公的生活の分野で平等な立場での人権および基本的自由を認識し、享有し、行使することを妨げまたは害する目的または効果を有するものを人種差別と定義しました。 その上で締約国は、あらゆる人種差別を非難し、撤廃する政策や人種間の理解を促進する政策をすべての適当な方法で遅滞なく実施することを約束しています。 この条約は2019年8月時点で、 181カ国が締約し、条約に基づいた人種差別の撤廃を目指した取り組みを行っています。 日本での取り組み 日本でも先に紹介したアイヌ民族の差別を含め、様々な差別が存在しています。 特に近年問題となっているのは ヘイトスピーチの存在です。 ヘイトスピーチは特定の国の出身者であることやその子孫であることを理由に、日本社会から追放しようと危害を加えるなど、一方的な言動のことを言います。 これも人種だけを理由とした差別に他なりません。 これに対して ヘイトスピーチ解消法を成立させ、不当な差別的言動を許さないものとして宣言しています。 また法務省は人権擁護機関を通して、ヘイトスピーチがあってはならないものであることを各種啓発・広報活動を行って周知に努めています。 他にも各都道府県や市町村による条例などにより、人種差別やヘイトスピーチを禁止する措置も取られています。 様々な人種差別勃発の状況を改善するため、国連は1965年に法的拘束力を持った「人種差別撤廃条約」を採択• 「人種差別撤廃条約」は2019年8月時点で181か国が締約し、条約に基づいた人種差別の撤廃を目指した取り組みを行っている• 日本でもヘイトスピーチ解消法を確立させ人種差別撤廃に取り組む (出典:「人権・人道」) (出典:「作成及び採択の経緯」) (出典:「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約」) (出典:「ヘイトスピーチに焦点を当てた啓発活動」) SDGsで重要な人種差別の問題についてできることから始めよう 人種差別は誰にでも起こり得る可能性があります。 それは根深く残った異人種に対しての偏見であり、私たちも持ちえてしまう負の価値観です。 SDGsにある目標の中でも、人種差別に関連する問題は複数あり、日本を含め世界中で様々な取り組みがなされています。 しかし、人種差別をなくすことを国際機関や政府が訴えても、私たち一人ひとりが意識してなくしていかなければ、撤廃することはできません。 芽生えた価値観を変えていくことは難しいですが、それでも自分から人種差別をなくせるよう、小さなことでもできることから始めていきましょう。

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近年、欧米での人種差別が報道で話題となっている。 アメリカでは、ドナルド・トランプ大統領が移民対策として、移民の難民申請制度のや移民による犯罪の被害者のためのするなど移民を「敵」とした規制を強めていることが話題になっている。 また、黒人への差別も話題になっている。 2019年2月、アメリカで起こった黒人への暴行事件などの人種差別事件を彷彿とさせるシーンが多いことで話題を呼んだ、チャイルディッシュ・ガンビーノの楽曲「This Is America」のミュージックビデオ(MV)が最優秀MV部門でグラミー賞をしたこともその証左だろう。 ヨーロッパにおいても移民・難民の増加による衝突が問題となっており、各国で右翼系政党の人気が、ポピュリズムの傾向を強めている。 このような事件や政策は大きく報道されてきたが、果たしてこれでメディアが世界における人種差別の現状を包括的かつ客観的に映し出せているのだろうか。 世界における人種差別問題と日本における人種差別報道について詳しく見ていきたい。 アメリカにてナチの旗を持つ民衆 写真:Moses Apostaticus 世界における人種差別・排外主義の全体像 そもそも人種差別とはどのようなものだろうか。 「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約」のによれば、「人種差別」とは、「人種、皮膚の色、世系又は民族的若しくは種族的出身に基づくあらゆる区別、排除、制限又は優先であって、政治的、経済的、社会的、文化的その他のあらゆる公的生活の分野における平等の立場での人権及び基本的自由を認識し、享有し又は行使することを妨げ又は害する目的又は効果を有するもの」をいう。 つまり、人種差別は一義的なものではなく、肌の色、民族、階級、国籍など、差別の対象となる背景は様々で、どんな違いも差別の要因となりうる。 近年の報道により、人種差別が強まっているというイメージを持っている人は少なくないかもしれない。 実際、専門家や国連関係者も排外主義が「世界中で」と言う人も存在する。 しかし、実際に「世界で」排外主義が強まっているといえるのだろうか。 世界各地で行われているなどによると、北部を除くヨーロッパでは、人種差別は増加傾向にあるが、世界全体で増えていると必ずしも言えず、また減っている地域も多いようだ。 ただし、世界が包括的に見れるデータが不十分だというのも事実である。 また、注目の対象になっている欧米よりもむしろ、南アジアや中東・北アフリカの方において人種差別意識が強いというも存在する。 例えば、南アジアでは、がカーストによる差別の影響を受けており、欧米以上に差別が深刻な地域も多数存在する。 このような人種差別に関するイメージと現実のはなぜ生まれるのか。 私たちのイメージを形成する報道に問題があるのではないか。 これらをひもとくために、実際のデータを基に、日本でどのような人種差別報道がなされているのか詳しく見ていこう。 下のグラフから分かるように、人種差別が強まっているイメージと同様に、ヨーロッパにおいて移民や難民が増加やトランプ氏の台頭、欧州政治の右傾化などが起こった2015年あたりを境に、人種差別の報道量が急増している。 Loading... また、この人種差別の報道量を国ごとに分類した。 下のグラフから見て分かるように、欧米、特にアメリカの報道量だけが極めて多い。 世界では、アメリカ以外にも報道すべき地域が数多くあるにもかかわらず、人種差別報道の約半分が1つの国だけに集中している。 また、アメリカの次に多かったのはフランスであり、報道の全体の約1割を占めている。 フランス国内の右傾政治やその移民政策の報道が非常に目立った。 ヨーロッパの他の国もトップ10に多く登場しており、全体としては約4分の1が欧州の報道であった。 また、南アフリカは、アパルトヘイト政策など歴史に関する特集記事や南アフリカで開催された差別反対世界会議に関する記事が多く、3番目に多い登場回数となった。 Loading... その黒人への差別に関する報道のうち、82件(約68%)の記事でアメリカが登場しており、大きな偏りが見られた。 また近年はトランプ大統領の登場や欧州政治の右傾化により、移民が差別の被害者として書かれている記事も54件(約16%)と多かった。 その54件の移民への差別に関する報道のうち、なんと51件(約94%)が欧米での内容だった。 宗教の差別でいえば、イスラム教徒が差別の被害者として取り上げられている記事51件中30件(約59%)と最も多く、そのうち9件がアメリカでの出来事だった。 また、全世界の人口のにも満たないユダヤ人が20件(約6%)の記事で被害者として取り上げられおり、人口の割に報道が多かった。 以上のように、日本で報道される人種差別報道は、欧米を主体として、「人種」、「国籍」、「宗教」などの異なるアイデンティティを持つ人々への差別にスポットライトが当てられている。 つまり、私達の世界の人種差別のイメージは、欧米中心の国際報道によって作られている可能性が極めて高い。 この報道の偏りの背景には、日本との関係の深い、強い先進国として普段から欧米報道を大きく取り上げるがある。 アメリカのメディアから影響を受けるも、さらに貧困国を日本のメディアの現状も挙げられる。 リビア紛争から逃れ、スーダンに帰国する出稼ぎ労働者とその家族 写真:UNAMID 報道されない人種差別 日本で報道されない人種差別とはどのようなものなのだろうか。 差別が蔓延しているにもかかわらず、ほとんど報道が為されていない地域の現状を例として詳しく見ていきたい。 南アジア 南アジアには、古くからという規則や慣習に基づいた社会的経済的な統治方法が存在する。 カースト制度は、人々をバラモン、クシャトリア、ヴァイシャ、シュードラの4つの階級に分け、社会的地位だけではなく、職業、結婚相手なども階級によって決めるべきという差別が根底からさらに4つ階級とは別に、「ダリット(Dalit)」という最下層の不可触賤民と呼ばれる人々がおり、死体の処理といった卑しい仕事をさせられ、の対象となっている。 現在、南アジアのがカーストによる差別の影響を受けているとされており、市民権や政治的、経済的、社会的、文化的権利が侵害されている。 これらの差別は、キリスト教徒や仏教徒、イスラム教徒、シク教徒にも。 このような状況にもかかわらず、で紹介したように、これらの現状に焦点が当てられた報道が少ないのが実情だ。 今回収集したデータにおいても、南アジアが取り上げられたのは人種差別報道の全347記事中4記事であり、そのうち3記事は他国絡みの政治に関するもので、各国内のカースト問題や宗教差別を取り上げた記事は存在しなかった。 しかし、イスラエルによるアラブ系住民・パレスチナ人への差別以外にも、この地域においてさまざまな差別関連の問題が存在する。 特に、建設業や家政婦などで中東に来る出稼ぎ労働者や難民への差別・虐待が深刻だ。 の賃金は極めて低く、全く同意していない奴隷のような労働をさせられていることが報告されている。 また、2022年のカタールワールドカップの建設中に、の低賃金労働者が亡くなるという予測も出ている。 また、では、スンニ派イスラム以外の信者への差別や抑圧が非常に強い。 神への冒とくやイスラム以外の宗教への改宗はに処する法律制度となっている。 北アフリカでも人種差別は多く残る。 エジプトでは、ヌビアなどの少数民族やサハラ以南のアフリカ出身の出稼ぎ労働者、難民などへの差別が深刻であり、肌が黒いほど差別が激しくなると。 またリビアでは、奴隷貿易が移民の増加によりなんと再び行われている。 2014年~2016年の3年間で15万人が危険を顧みずリビアから地中海へ渡ろうとするなど、リビアは移民や難民の経由地となっており、そこで取り締まりを受け拘留された人々が多く存在するが、その人々「」で奴隷としてオークションに売買され強制労働を強いられることがある。 このように、中東・北アフリカ諸国で悲惨な人種差別が存在するにもかかわらず、今回収集した中東・北アフリカの 25件の人種差別に関する記事の中には、これらの事情に言及したものはなかった。 ドバイの建築現場で働く出稼ぎ労働者 写真:Imre Solt 中南米 中南米には過去に奴隷として連れてこられた歴史もあり、アフリカ系の子孫が数多く生活している。 このような黒人が人口の大きな割合を占める中南米においても、依然として人種差別が問題視されている。 ブラジルでは、国民の自己のアイデンティティの認識に基づけば、人口のが黒人あるいは黒人を含む複数の人種が入り混じった人々であるが、白人と比べて教育水準や賃金ががあり、があることは明らかである。 コロンビアでも、他の人種に比べて最貧困層にアフリカ系の人々が、紛争時にも多くのアフリカ系の人々が強制立ち退きを命じられるなど卑劣な扱いを受けている。 また、グアテマラやボリビアでも、アフリカ系や先住民の人々は経済面や教育面、雇用面などにおいて白人の人を比べて差別的な処遇を受けているとされている。 中南米で見られるこのような現象をと呼ぶ研究者もおり、肌の色に基づいた社会的地位が変わるということを指している。 これらの差別に対して、各国で生活水準を改善するための政策や人種差別撤廃のための法案も実施されてきたが、依然としてラテンアメリカのアフリカ系の人々に対する経済面や教育面などにおける差別は残っており、アメリカ以上に人種差別問題が深刻であるといえるのかもしれない。 しかし、アメリカでの黒人差別が黒人差別報道全体の120記事中82記事(約68%)であるのに対して、中南米での黒人差別は1つの記事でしか言及されていなかった。 このような状況にもかかわらず、日本の報道の偏りによって、「世界」の人種差別のイメージが、「欧米」での人種差別報道のイメージによって形成されてしまっており、欧米を主体としてしか人種差別問題について知ることができていない。 報道されていない地域には、欧米以上に差別意識が強く、悲惨な出来事が起こっており、明らかに私達が普段目にする情報と現実との間にギャップが存在しているが、このままで良いのだろうか。 人種差別の撲滅に向けて、まずは世界の人種差別の現状を客観的かつ包括的に報道し、問題意識を向けることから始める必要があるだろう。 ライター:Yutaro Yamazaki.

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