コロナ 空気 感染。 [感染症] All About

「空気感染」と「飛沫感染」「接触感染」の違いは?

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新型コロナウイルスが、私たちの日常生活にも影響を及ぼすようになってきた。 4月7日に東京をはじめとした7都府県で緊急事態宣言が発令され、学校も休校に。 企業はテレワークの導入に追われており、筆者もここ3カ月は所属する会社のオフィスにほとんど顔を出さず、自宅での作業がメインとなっている。 そんななか日々恐ろしく感じているのが、真偽不明の誤情報や偏った報道によって人々が過剰なアクションを起こしてしまう現象だ。 筆者の住む街でも、いまだにマスクやトイレットペーパーを買うことが困難な状況が続いている。 パニックに陥ることなくこどもたちを守るためには、ウイルスや今の日本についての客観的な情報を知り、「正しく恐れる」ことが不可欠。 まだまだ解明されていないことも多い新型コロナウイルスだが、今回は感染経路の代表的なパターンである「空気感染」と「飛沫感染」、さらには「接触感染」の違いについて、埼玉医科大学総合診療内科の山田悠史先生に解説してもらった。 米国内科専門医。 慶應義塾大学医学部を卒業後、日本全国各地の病院の総合診療科で勤務。 2015年からは米国ニューヨークのマウントサイナイ大学関連病院の内科で勤務し、米国内科専門医を取得。 現在は埼玉医科大学総合診療内科に所属。 グローバルでもNPO法人 APSARAの常務理事として活動を行なっている。 ほとんどのかぜウイルスは「飛沫感染」によって伝染する そもそも空気感染と飛沫感染とはどんな現象を指すのだろう。 「『飛沫』とは、人がせきやくしゃみ、喋ったときなどに口から出る小さな水滴のことです。 唾やたんに加えて、ウイルスが含まれることもあります。 この飛沫は大気中に放出されると重力に従って地面に落っこちたり乾燥してより小さくなり、やがてなくなってしまうので、多くの場合、約1メートルしか飛ぶことはありません。 この飛沫を吸い込んでしまい、感染症にかかってしまうことを『飛沫感染』と言います」 「一方で、一部のウイルスは、大気中に放出されて乾燥しても、存在することができます。 この残ったウイルスは、空気中に漂って、それを吸い込んでしまうと感染してしまいます。 これが『空気感染』となります」(山田先生) なお、現代で空気感染する感染症としては「麻疹(はしか)」「水ぼうそう(帯状疱疹)」「結核」の3つが挙げられる。 一時期、「新型コロナは空気感染する」という記事がメディアに掲載されることがあったが、これは誤情報とされており、「ほとんどのかぜウイルスは『飛沫感染』によって伝染する」(山田先生)という。 さらに、空気感染と飛沫感染に隠れて軽視されがちなのが「接触感染」だ。 「接触」というと、人と人が握手をしたり、ハグしたりすることで伝染するとイメージされがちだが、実際は人同士でなくても気をつけなければならないケースがある。 「例えば、ウイルス感染者のせきやくしゃみで飛んだ飛沫が、スーパーに並んでいるポテトチップスの袋に付着したとします。 すると、たんなどに混じったウイルスはある程度の時間、ポテトチップスの袋の上で存在できてしまうのです。 すると、次にそのポテトチップスの袋を触ったり、購入した人の手にウイルスが移ります。 そして、その人がその手で自分の鼻や目を触ったりすると、ウイルスが身体に入ってしまいます」(山田先生) この経路の場合、マスクをしているからといって、絶対に安全ではないということになる。 また、飛沫感染を起こすとされる多くの粒子より小さな粒子を吸い込んで感染する「エアロゾル感染」という感染経路もあり、この小さな粒子は約2メートル空気中を漂うことができるという。 なので、国や多くの自治体が推奨している「他人と2メートル以内に近づかない」という予防対策は理に適っていると言えるのだ。 手洗いやうがいを徹底した上で空気清浄機の活用を 昨今、空気清浄機がとにかく売れている。 コロナウイルス感染拡大の影響で、目に見えない空気を少しでもきれいに保ちたい、という想いが人々の間で強まっている表れだろう。 だからといって、空気清浄機を設置したからもう大丈夫だと油断してはいけない。 結局は普段の手洗いとうがい、日常的に他人との近距離での接触や人ごみを避けるといった行為を心がけることこそが、ウイルスを遠ざける最も重要な手段なのである。 では、これらの感染症から身を守るために、空気清浄機ができることはあるのだろうか。 山田先生は「空気清浄機が直接ウイルスから身を守ってくれるというエビデンスはない」と話す一方、多くの空気清浄機に搭載されている「HEPAフィルター」は、新型コロナウイルスと闘う医療現場でも活用されているという。 「気管挿管(のどに人工呼吸器をつなぐためにチューブなどを挿入する行為)をしなければならないほど重篤な患者さんの吐いた息からウイルスが舞うのを防ぐために、器具の先端にHEPAフィルターを装着することで、コロナウイルスが飛散しないようにするという取り組みが行われています」(山田先生) 一方、ブルーエアの空気清浄機は「HEPAフィルター」以上の効果が期待できる。 なぜなら、一般的な空気清浄機のHEPAフィルターが、日本工業規格 JIS規格 にて「定格流量で粒径が0. ウイルスレベルの微粒子の除去も可能としているからだ。 また、乾燥した空間においては加湿することがのどの粘膜を守るという意味でよいといわれているが、「湿度を上げすぎることで、本来は乾燥して死滅するはずだったウイルスが残存する可能性がある」(山田先生)ことから、加湿器は逆効果になる可能性もあるという。 50~60%の適切な湿度を保つといいだろう。 ウイルスは怖がりすぎず、正しい知識で正しく恐れよう 巷では「インフォデミック(Infodemic)」という言葉も話題となっている。 インフォデミックとは「正しい情報と不確かな情報が混じり合い、人々の不安や恐怖をあおる形で増幅・拡散され、信頼すべき情報が見つけにくくなり、混乱状態となること」とされており、2003年にSARS(重症急性呼吸器症候群)が流行した時に使われるようになった言葉だ。 こどもたちを守るために私たちに求められていることは、正しい知識を得ることにより、ウイルスを「正しく恐れる」こと。 私たちがメディアとして情報を発信するときも、この意識を心がけていきたい。 実際の効果は、部屋の状況や使用方法により異なる。

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新型コロナウイルスは、空気感染しますか?

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ワイドショーでも「エアロゾル感染」の扱い割れる 英BBC中国語版は2020年2月8日、中国・上海市民政局が新型コロナウイルスの感染経路について、衛生防疫専門家の意見として、これまでの飛沫感染、接触感染に加え、新たに「エアロゾル感染」も含まれることを確認したと報道。 中央日報日本語版も9日、同様の発表内容を報じている。 10日にはワイドショーでも取り上げられたが、「エアロゾル感染」の扱いが若干異なる。 たとえば「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)は、「(エアロゾル感染は)飛沫が空気中で混ざり合って感染するということで、空気感染ではない」という厚生労働省のコメントを紹介。 ネット上でも「エアロゾル感染と空気感染は違います!」「コロナウイルス、空気感染(エアロゾル感染)確認だとさ」「まぁ空気感染もエアロゾル感染ってことなのか?よくわからん」と錯綜している。 「エアロゾル感染」について、どのように受け止めればいいのか。 関西福祉大学教授で医学博士、また元外務省医務官として海外医療に携わってきた勝田吉彰氏は10日、J-CASTニュースの取材に「『エアロゾル感染』という言葉は、学会などで正式に定義されたものではありません」と話す。 「飛沫感染」と「飛沫核感染」は異なる 「エアロゾルというのはいわば霧状に浮遊する粒子のことです。 私としては『エアロゾルを介した感染』という表現をしています。 一般に『エアロゾル感染』と言われる場合、エアロゾルと一緒に『飛沫』がとんで感染したかもしれないし、『飛沫核』がとんで感染したかもしれない。 どちらの場合でも使えることになります。 『飛沫感染』と『飛沫核感染』の2つの言葉の意味については、ほとんど異論を唱える人がいません。 『飛沫感染』は、『飛沫』つまり痰や咳といった体から分泌されるものによって、核が覆われた状態でウイルスが飛び、感染することです。 感染する距離はせいぜい半径2メートルです。 飛沫感染するウイルスは、覆っている飛沫がなくなり、裸になったら活動できなくなります。 これに対して『飛沫核感染』は、ウイルスを覆っている痰や咳といった飛沫がなくなり、裸になった『飛沫核』でも活動できるウイルスによる感染です。 こちらは慣用的に『空気感染』といわれます」(勝田氏) 上海当局の発表を受けて、新型コロナウイルスの感染予防方法は変わるのか。 勝田氏は「今行われている『飛沫感染』の対策を徹底することでしょう」とし、「あくまで私の推測ですが」と前置きしたうえで次のように見解を示す。 「理由としては、中国国外で(上海当局の発表と)同様の経路による感染が起きていないということがあげられます。 今回の上海当局の発表は、中国の環境下であるから起きている感染なのではないか、というのが私の推測です。 今回の発表からは、2003年SARS流行中に発生した事象を想起させられました。 中国の老朽化した集合住宅でトイレ配管の損傷部からウイルスが漏れ出し、同じ向きの部屋に居住する住民が集団感染する事象が発生し、すわ空気感染かと不安がかきたてられました。 しかし、その後、同様の集団感染は発生していません。 今回も中国の集団住宅で同様事象が発生したのではないか、と考えています」 「不確定な情報が流れ、マスクを奪い合うようなことが起きてはいけません」 逆にネットの一部で言われているような「空気感染」、つまり飛沫核感染の可能性については懐疑的だ。 勝田氏はこう話している。 「『飛沫核感染』するのは、たとえば麻疹(はしか)や結核です。 飛沫核感染がもし疑われるようなことになれば、予防方法も麻疹や結核と同じになります。 それに必要なのは『N95マスク』(編注:密度が高く、より小さな粒子を捕らえられる医療用マスク)です。 しかし、これまで明らかになってきたコロナウイルスの性格上、おそらく空気感染は起こらないものと考えられ、N95マスクまでは不要です。 N95マスクが必要だという誤解が広がらないよう、私たちは情報に注意しなければならないと思います。 不確定な情報が流れ、マスクを奪い合うようなことが起きてはいけません。 まずは手洗い、咳エチケット、アルコール消毒、飛沫がつく手すりなどの頻繁な掃除といった、基本の飛沫感染対策を徹底することが肝要です」 (J-CASTニュース編集部 青木正典).

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空気感染しないのに…なぜ換気必要?医師に聞いた|【西日本新聞ニュース】

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細菌やウイルスなどの病原体の感染経路は様々です。 空気感染、飛沫感染など、感染の仕方によって適切な対策法も異なります。 正しく理解しておきましょう 人から人へと感染していく感染症。 ウイルスや細菌によって感染経路は異なります。 主な感染経路として飛沫感染、接触感染、空気感染などがあります。 混同している方も少なくないかもしれませんが、飛沫感染と空気感染は別のもので、感染予防のための対策法も変わります。 感染経路の基本について、以下で押さえておきましょう。 飛沫感染は、飛沫が飛ぶ範囲で起こるので、距離、時間、障害物の有無によって感染リスクが変わります。 距離を長く、接触時間を短く、障害物を作れば、感染リスクは下げることができます。 飛沫が飛ぶ範囲は気象や風向きなどの条件によりますが、一般的に「2m以内に30分程度、同じ場所にいれば」、感染する可能性があります。 逆にいえば、2m離れていたり、数分のみの接触だったり、目・鼻・口などの粘膜にくしゃみや咳による飛沫を浴びなければ、感染リスクは低くなります。 同じ部屋でも衝立が一つあれば飛沫はそこでブロックされるので、感染拡大する可能性を下げることができます。 空気感染の場合は、咳やくしゃみで飛んだ飛沫の水分が蒸発した後、病原体のみが長時間空気中を漂い、その空気を吸い込んだ人が感染します。 2m以上離れていたり、衝立を立てたり、感染者がその場を離れたりした後も、同じ部屋に入ることで感染する可能性があります。 空気感染するのは、現時点では結核、麻疹、水疱瘡です。 ウイルスが付着した物を触ってウイルスがついてしまった手で、目・鼻・口のあたりを触ることで感染します。 物についたウイルスが感染力を持っているかどうかは、ウイルスの種類によっても大きく異なります。 また、温度、湿度、付着した物などの条件によっても異なるため、一概には言えないのが現状です。 ただ、基本的にはウイルスは細胞がないと増殖できませんので、感染者から離れたウイルスは、数日のうちに感染力が下がります。 プール熱やインフルエンザなどがこの感染経路で感染します。 以前流行したSARSでも糞便からの感染が報告されています。 新型コロナウイルス感染所の感染経路……飛沫感染と接触感染 今騒がれている新型コロナウイルスの感染経路は、「飛沫感染」「接触感染」と考えられています。 ウイルスの寿命・ウイルスが感染力を失う時間の目安 そもそも「ウイルス」は生物ではありません。 遺伝子とそれを覆うタンパク質でできています。 周りを覆っているタンパク質は細胞由来で、ウイルスが増えるためには「細胞」が必要になります。 細胞のない状態、つまり人を含む生き物に感染していない状態では、ウイルスは失活してしまい、感染力がなくなります。 インフルエンザウイルスと湿度・温度の関係 インフルエンザウイルスの場合、ウイルスのみで感染力を持つのは12時間まで、条件によっては48時間程度です。 RSウイルスは1~7時間、アデノウイルスは8~10日程度で、ウイルスによってもかなり差があります。 そのため、例えばですがインフルエンザに感染した人が触った本や手すりにウイルスが付着したとしても、3日後にその本や手すりを触ってインフルエンザに感染することはありません。 新型コロナウイルスが付着したものが、どの程度の感染力を持ち続けるかの証明は、なかなか難しい部分があります。 ウイルスが付着していても、必ずしも人に感染するわけではないからです。 新型コロナウイルスについては、あくまで実験のものではありますが、アメリカ疾病対策センター CDC 、カルフォニア大学ロサンゼルス校、プリンストン大学の共同研究によって、ウイルスが残っている時間について報告されています。 空気中でエアゾルの形……3時間• 銅の表面……4時間• ボール紙の表面……24時間• プラスチック、ステンレスの表面……24時間 ただしこれらも実際に感染実験をしたわけではありませんので、あくまで参考として捉えておくのがよいでしょう。 「飛沫感染」という点でいえば、2m以上離れていれば感染リスクは低くなり、接触時間が30分以内と短時間であればやはり危険性は低いといえます。 また、空気感染すると恐れられている結核でも、同じ部屋にいたからといってすべての人が感染するわけではありません。 目に見えないウイルスが不安でも、取るべき行動は同じ ウイルスは目に見えないので、感染拡大などの報道があると不安になるものです。 まずは正しい情報を押さえ、あまりに不安を煽るような情報は鵜呑みしないことが大切です。 今回の新型コロナウイルスは、従来のコロナウイルスよりも重症な肺炎を起こす可能性が高いようですが、上記の感染経路の特徴からも分かる通り、空気感染するウイルスのような凄まじい感染力を持っているわけではないようですし、感染者の中でも重症化する割合は少ないようです。 毎年インフルエンザが流行しますが、インフルエンザに感染しても症状の軽い方や無症状の方は多いです(その分、感染が拡大しやすいともいえます)。 また、ワクチンがあっても既存のインフルエンザにかかって残念ながら亡くなる方も少なくありません。 多くのウイルスに対して特効薬はありません。 大切なのは、普段から規則正しい生活とバランスのよい食事を心がけて、自分自身の免疫力を保つこと。 そして有事のときだけでなく普段から手洗い、手指衛生をしっかり行うことです。 未知のウイルスで慌てたり過度に不安を感じたりするのではなく、これまでのウイルス感染の予防法をしっかりと行い、それぞれの健康を守っていきましょう。

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